発達障害関係の本・ご紹介Blog

~『パパはアスペルガー!』の副ブログ~ 発達障害に関する本の書評を、アスペルガー症候群の夫を持つ配偶者の視点から、書いて見ようと思います。

特別支援教育に関する本

『発達障害のある人の大学進学  どう選ぶかどう支えるか』

特別支援教育が始まってから9年…

小学校では、まあ、なんとなく特別支援教育の形ができあがりつつあるのかな…という気もしますが、支援の内容はといえば、まだまだ自治体間の格差・学校間の格差・教員間の格差があるのが事実です。

中学校では、いまだ、『特別支援教育とは何ぞや?』も知ろうとしない教員が存在したりで、体制としての自治体間格差・学校間格差の問題よりも、あまりにも広がりすぎてしまった『教員間格差』の問題が深刻です。

高校に至っては…公立高校はまだなんとか教育委員会が頑張っていますが、私立高校となるとそれこそ熱心に取り組んでいるところと、そのような問題があることすら全く考えることさえしていない学校との格差は無限大です。


さて、では大学はどうなんでしょうか?

センター試験の改革が行われたり、学生課に専門家を配置したり、取り組みが始動している(機能している…と言えるのはこれからでしょう。)手ごたえは確かにあります。

高等学校までに何らかの支援を受けてきた人たちが、大学受験の折、あるいは大学に入学してから、何らかの支援を受ける機会に恵まれる事例も出てきました。

とはいえ、まだ後期高等教育での支援は始まったばかり、というよりも、どちらかというと『実験段階』くらいでしょうか?

そんな中、数少ない支援の事例などや大学進学時の当事者や保護者の心構えなど、様々な視点から様々な立場の方が分担執筆された『発達障害のある人の大学進学 [ 高橋知音 ]』は、現段階で進学を希望されている当事者・保護者の必読書かもしれません。

大学進学は、まず無理だろうなぁ…と思われる娘を持つ身ですが、中学生・高校生の保護者として大学進学を考えていなくとも参考になる部分がたくさんあります。

学齢期のお子さんを持つ保護者の方と、大学・専門学校など後期高等教育を希望している当事者の方にお勧めします。



発達障害のある人の大学進学 [ 高橋知音 ]

発達障害のある人の大学進学 [ 高橋知音 ]




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『実践事例に学ぶ特別支援教育体制づくり』

地方自治の傾向は、政治・経済の世界だけでなく、教育界にもいろいろな変化をもたらしているようです。

地方独自の政策、地方独自の教育制度の整備…

特別支援教育本格実施元年の今年(2007年)、特別支援教育関連の話題が新聞などのメディアに掲載され、特別支援教育に関する書籍も、次々と出版されています。

この『実践事例に学ぶ特別支援教育体制づくり 23自治体の特色ある取り組みから』も、そんな中の一冊で、出版されたてホヤホヤの本です。

各地方自治体の、特別支援教育への独自の、あるいは先進的な取り組みの最新の情報が満載です。

各自治体の事例は、第三者ではなく行政の担当者が執筆しているようですので、報告書然としていて、読み物のようにスラスラ読み進めることができる…という感じではないかもしれません。
(私は読了するのに、かなり時間を要しました)

各自治体の事例の後には、その自治体の取り組みの特徴や独自な点やこれからの課題などが、編著者の柘植雅義(つげまさよし)さんによってコメントされています。


実践事例に学ぶ特別支援教育体制づくり [ 柘植雅義 ]
実践事例に学ぶ特別支援教育体制づくり [ 柘植雅義 ]

発行年月 2007年03月


みなさんの住んでおられる自治体は、この本の中で紹介されているでしょうか?

私の住む自治体は、この本に掲載されている自治体と比べて、まるでどこか遠い外国の話か、はたまた地球以外の天体の話かしら??? と思ってしまうほど、格差があることがはっきりとわかり、暗澹たる気持ちになりました。




我が自治体も、入手した特別支援教育への取り組みの計画段階の資料は、確かに素晴らしい体制に思われる、立派なものでした。

けれど、2007年5月現在、その計画の理念も、実際のサポート体制も、ほとんど稼動していません。

見事なまでの『絵に描いたもち』です……



それに引き換え、この本に掲載されている自治体では、実際に報告の通りに稼動しているとはいえないでしょうし、いろいろと不完全で不備な点もあるでしょうが、少なくとも
『特別支援教育が走り出している』
ことは間違いなさそうです。



この本の中には、自治体の規模の大きいところから小さなところ(人口にして100万人を超えるところから数万人規模のところ)まで、23自治体の例が報告されています。

おそらく、居住地に近い規模の自治体の事例を、どなたでも見つけられると思います。

自治体の規模によって、できること・できないこと・上手く稼動する体制など、いろいろ違ってくると思いますが、必ず参考になる事例がこの本の中に見つかると思います。

行政の腰が重い自治体にお住まいの方は、この本に掲載の、似たような規模の自治体の例を出して、
「○○市だって、これだけのことができるんですよ。うちも、これくらいのことはがんばって早期に実現してください」
くらいのことを、教育委員会なり、福祉課なりに懸けあってみてはいかがでしょうか?


結構、他の自治体の同じ職種の方の仕事を、知らない担当者が多いもので、保護者の方がいろいろ知識を持っていたりする場合も多いものです。

私は、忙しすぎて他の自治体の事例を調べる暇なんてない各関係機関の担当者に、
「こんな事例もあるそうですね」
と、この本の紹介程度のことを、やんわりと(←知ったかぶりの保護者と思われるとマイナスなので…)お話してみています。

行政と保護者がともに手を取り合って子供の教育について考える、ひとつも方法かもしれないと思いますから。


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最後に、この本の中で紹介されていた、北海道立特別支援教育センターのHP(ホームページ)が、非常に充実していて、いろいろな資料のダウンロードもできますので、ご紹介しておきます。


  ⇒ 北海道立特別支援教育センター


特に、ご自分の受け持つクラスの中に、特別な教育的ニーズのある児童・生徒がいる教師の方で、生徒・児童への具体的な指導の方法がわからないとお悩みの先生必見のサイトです!



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『LD・ADHDの理解と支援 学校での心理臨床活動と軽度発達障害』

『LD・ADHDの理解と支援 学校での心理臨床活動と軽度発達障害』は、スクールカウンセラー向けの本です。

心理士・スクールカウンセラーさんが、精神分析的・心理学的アプローチではなく、発達障害の観点から、児童・生徒をサポートするための本です。

また、児童・生徒だけでなく、教師のサポート、そして学校の一員として保護者のサポートをする、そこまで踏み込んだ本でもあります。



心理的な面だけでなく、発達障害かどうかの判断や、その場合の具体的な支援の方法まで、丁寧に書かれています。

専門家ではない私が読むのには、ちょっとかったるかったのですが、内容が全くわからない… というようなこともなく、時間は多少かかりましたが、とても参考になる部分の多い本でした。


特に 第Ⅳ章『支援の実際』の④『学習の支援』、⑥『自己理解と進路の支援』 は、非常に参考になりました。



LD・ADHDの理解と支援 学校での心理臨床活動と軽度発達障害
LD・ADHDの理解と支援 学校での心理臨床活動と軽度発達障害

発行年月 2005年01月


保護者としては、『家庭の役割』などの項目もありますから、専門的な箇所は読み飛ばして、参考になりそうな項目のみを拾い読みしても、十分読み応えがあると思います。

+++

こんな本を読んで、実践してくださるスクールカウンセラーさんが、いるといいのになぁ~

なにしろ、我が居住地域の自治体は、公立の小・中学校 約160校に対して、スクールカウンセラーさんはたった3人なんです。
しかも、非常勤………

通常は(本業は)、病院などにお勤めされていて、必要な時にだけ呼び出されるらしいです。

理想と現実は、かくも隔たれり………… という感じです。



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『発達障害のある子の困り感に寄り添う支援』

『発達障害のある子の困り感に寄り添う支援 通常の学級に学ぶLD・ADHD・アスペの子どもへの手立て』は、小・中学校の先生向けの本です。

対象児童向けの具体的な『支援の手立て』の他に、『保護者面談の進め方』など、保護者とのコミュニケーションをとる場合の注意点・配慮すべき点も、事例付きで解説されています。

『保護者を傷つける言葉』の項目のところなど、身につまされてしまいました。


また、『保護者への報告』をまめにするように、との指摘は、本当にもっともだと思いました。

先生方は、一所懸命対策をとってくださっているのかもしれませんが、希望や要望を伝えた保護者には、どのような対策をとることにしたかの報告が全くなされないのが実情で、いったい学校で何をやっているのかわからない不安を、保護者はいつも抱えているのですから。




【中古】 発達障害のある子の困り感に寄りそう支援 通常の学級に学ぶLD・ADHD・アスペの子どもへの手立て 学研のヒューマンケアブックス/佐藤暁(著者) 【中古】afb
【中古】 発達障害のある子の困り感に寄りそう支援 通常の学級に学ぶLD・ADHD・アスペの子どもへの手立て 学研のヒューマンケアブックス/佐藤暁(著者) 【中古】afb

発行年月 2004年09月



この本、内容は非常に充実しているのですが、惜しいかな編集さんに恵まれなかったようです。

割付が悪くて、どこからどこまでが当該項目なのか、よくわからないのです。

つまり、ちょっと読みにくい……… のが、難点です。


が、特別支援教育に関わる(つまり『すべての先生方』ということですよね♪)先生方には、ぜひぜひ読んでいただきたいと、いち保護者として、切にお願い申し上げます!



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『気になる子がぐんぐん伸びる授業』

『気になる子がぐんぐん伸びる授業』は、実用書として、とても使いやすくできています。


気になる子がぐんぐん伸びる授業 [ 品川裕香 ]
気になる子がぐんぐん伸びる授業 [ 品川裕香 ]



まず、事例がマンガで示されているのがわかりすい

そして、各事例に対して、望ましくない対応例と、望ましい対応例が簡潔に書かれているので、
「なるほど!」
と、納得しやすいです。


頭では理解しているけれど、ついついやってしまいそうなNG対応。

この対応がマズイことはわかっているけど、でも、じゃあ、実際どうすればOKな対応なのかわからない。


そんな、親や先生のもどかしい気持ちに、かゆいところに手が届くように答えてくれている本です。


+++


まず、皆さんにこの本を手にとっていただき、目次にズラッ~っと並んでいる、57の事例のひとつひとつを眺めていただきたい。
目次を読んでいるだけで、
「この本、使えそうだなぁ~」
という気がしてきます。


そして、我が子、または気になっている教え子に当てはまりそうな事例の項目のページを開いていただきたい。

私だったら
【事例02】読み書きだけでなく、聴くことが苦手な子には?
あたりでしょうか…

NG対応例も、OK対応例も短い文章ながら、対処法だけでなく、しっかりと『何故そうなってしまうのか』『苦手や特徴の背景』『原因と思われること』が書かれているので、読んだ人にセンスがあれば、対応法のバリエーションを自分なりに増やしていけそうな柔軟性もあります。


+++


この『気になる子がぐんぐん伸びる授業』は、『小六教育技術』という雑誌に連載された原稿に加筆修正したものだそうです。

基本的には、小学校高学年の児童を念頭において書かれているそうですが、小・中学校9年間を通して使えるノウハウだということです。

読んでみて、私も9年間十分使えそうだと思いました。


17あるコラムも読み応え十分で、短い文章に、どうしてこんなに平易に大切なことを過不足なく盛り込めるのか、感動ものの文章の上手さです。

著者はノンフィクションライターさんだということですが、実用書としての内容の充実度と使いやすさ、読みやすさのほかに、著者のライターとしての力量のすごさに、感動しました。

こんな文章書けたらいいなぁ~、と、ダラダラ長文書きの自分はうらやましくてなりませんでした。

本の内容も熟読に値しますが、文章を書く上でのお手本としても、手元に置きたいと思った私です。



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プロフィール
・アスペルガー症候群の夫:Qさん
・1996年生まれの息子:ノロリ
・2001年生まれのLD娘:チビひめ
との生活に、孤軍奮闘中。

メインブログの『パパはアスペルガー!』
で、いろいろ愚痴っています。
はじめにお読みください
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