発達障害関係の本・ご紹介Blog

~『パパはアスペルガー!』の副ブログ~ 発達障害に関する本の書評を、アスペルガー症候群の夫を持つ配偶者の視点から、書いて見ようと思います。

アスペルガー・自閉症スペクトラムに関する本

『ソーシャル・ストーリー・ブック 書き方と文例』

体調もいまいち、スケジュールも一杯……
でなかなか本を読むことができません。

そして、今回ご紹介のこの本
『ソーシャル・ストーリー・ブック 書き方と文例』
をテキストに、しばらくソーシャル・ストーリー(もどき?)を書く練習をしていきますので、ますます更新が滞りそうです。


この本は、読みやすくわかりやすい本なので、ソーシャルストーリーの勉強をしようとしている方には、まさにぴったりのテキストになると思います。

思いますが、問題は内容でして……
『ソーシャル・ストーリー』そのものが、とても慎重を要するものなのです。

ですから、神経を使って誤解なきようストーリーを書くという作業が、とてもとても大変なのです。
本の文例をを見て、ストーリーを書いてみて、チェック表(本文中にあります)でチェックしてみても、素人の私には、これでいいのかどうか、わからないのです。
私は、書いたものをチェックしてくださる心理士さんがいるので、良いのですが、独学で正しくストーリーを書けるようになるのは、難しいかもしれません。

だからといって、私もいつもいつも心理士さんにチェックしてもらえるわけではありません。(面談は月に1回以下の頻度ですから…)
緊急(?)の時には、ババっと書いて、チェックもせずにQさんに見せています。
(本当はいけないとは思うのですが、『その場で注意する』が基本ですから仕方ありません)

それでも、この本を読んで勉強する前の
『メモ』や
『お願いの文章』や
『私が作成したQさん用マニュアル』よりも、
『もどき』であっても、この本にのっとって書いたストーリーの方が、格段にQさんに通りがいいのは、確かです。
Qさんの納得度も、高いようです。
(でも書くのは本当に大変です(ToT) )

この本を読む・活用する、に当たっては、P188からの『編訳者あとがき』を熟読してください。
以下、重要な部分を抜粋しておきます。

【ソーシャル・ストーリーは、一人ひとりのASD(自閉症スペクトラム)の子どもを思い浮かべながら、その子どもに合わせオーダーメイドで「仕立てる」という性質のものであり、書き手の側がASDの障害特性を理解した上で、書き方についても十分トレーニングを積む必要があること、困った行動をやめさせたり、期待される行動をおしつけるために書くものではないこと】

【一度、ソーシャル・ストーリーを誤った使い方で導入された子どもは、二度とそれを受け入れられなくなる】という危険性がある

以上を良く理解しわきまえたうえで、生活の中で上手に活用していけたら、本人も家族も、随分とコミュニケーションが楽になることでしょう。

ソーシャル・ストーリーはオーダーメイドですから、他の人のためには使えませんが、他の人が書く場合の参考にはなりますので、上手く書けたものがあったら、メインブログの『パパはアスペルガー!?』の方で、ご紹介するかもしれません。
ご紹介できるレベルのものを、書けるようにゆっくり練習していきます。




【中古】 ソーシャル・ストーリー・ブック 書き方と文例 /キャロルグレイ(著者),服巻智子(訳者) 【中古】afb
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アスペルガー症候群と高機能自閉症『青年期の社会性のために』

もうお読みになった方がほとんどだと思うので、今さらご紹介するのも気が引けるのですが…


【送料無料】 アスペルガー症候群と高機能自閉症 青年期の社会性のために 学研のヒューマンケアブックス / 杉山登志郎 【全集・双書】
【送料無料】 アスペルガー症候群と高機能自閉症 青年期の社会性のために 学研のヒューマンケアブックス / 杉山登志郎 【全集・双書】

は、前作の入門書、

【新品】【本】アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために よりよいソーシャルスキルが身につく 杉山登志郎/編著
【新品】【本】アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために よりよいソーシャルスキルが身につく 杉山登志郎/編著

に続く本です。

親・教師・医師・療育者・当事者……高機能広汎性発達障害・自閉症スペクトラムにほんの少しでも関わりのある方には、必読の書だと思います。
『基本の書』とでもいいましょうか、手元に置いて一行ずつ丁寧に読み込んでいただきたいし、その都度その都度、繰り返し繰り返し読んでも、新たな側面から参考に出来ることが見えてくる本だと思います。

特に、P6~41の『総説』は、絶対に皆さんに読んでいただきたいなぁと思います。

どこもかしこもお奨め箇所ばかりなので、ご紹介しきれないのですが、『総説』のほかに一点だけ挙げるとすれば、
P93~94の『高機能児が虐待を受ける要因』①~⑦
をご紹介します。
親が高機能児を虐待してしまいがちな要因が7つ挙がっているのですが、
親 → 私(妻)
児 → Qさん(夫)
と読み替えることが可能だと思ったからです。
①②③⑥はそっくりそのままですし、
④の
“養育者は不当な非難にさらされて育児に関して不全感をもち、自己評価が下がって疲弊しがちで、子供に対して被害的になりやすい”
という要因は、
“妻として、夫の言動・行動を周囲からいろいろ言われ続けて、夫婦関係に関して不全感をもち、………、夫に対して被害的になりやすい”
と、読み替えることが可能だと思います。

今まで読んできた本は、どうしてもお子さん中心に書かれていて(この本もそうなのですが…)、成人の家族としては、参考にして実行できそうなことがあまり得られなかったのですが、この本は、具体的な事柄として書いてあったわけではないのですが、いろいろなヒントを私に授けてくれました。

しっかり基本が書かれているので、読者が各々応用できるように書かれている…とでもいったらいいのでしょうか。
高機能広汎性発達障害をお持ちのお子さんに関わる方だけでなく、配偶者が自閉圏にいらっしゃる方にも読んでいただけたら、きっと参考になるヒントがみつかると思います。




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『アスペルガー的人生』

M病院のK医師に、
「アスペルガー症候群の本を読んでみてください。」
と言われて、Qさんとふたりで選んで、はじめて買い求めたのが、この本『アスペルガー的人生』です。

「アスペルガーって何?ドッペルゲンガーの親戚?」
状態で読んだ本ですから、最初の感想は

「えっ?」「なに?」「マジ?」「うっそー」「こんな人、ほんとにいるの?」「Qさんとは、全然違うじゃん」

というようなものでした。
でも、ところどころで「あっ!」と思う箇所も確かにありました。

著者は、かなりの感覚過敏を持っているので、そちらに目を奪われて、違いばかりが目に付いたのですが、感覚過敏の問題を抜きにしてよくよく読んでみると、なんだか当てはまる部分があるような…。

それでも、後でK医師に
「いかがでしたか?」
ときかれた時には、
「全然違うような気がします」
と答えた記憶があります。そのあと、先生は
「現れ方は、人それぞれですし、軽重もありますし、感覚に問題のない方もいますから…」
とおっしゃられたように記憶しています。

この本を読んだ衝撃は、Qさんがアスペルガーかも、ということよりも、
『アスペルガー症候群というものをもっている方が、世の中に存在する』
という衝撃でした。
だって、まるで違う世界が、そこに描かれていたのですから。

大学の時に、人種・性・階層などの差別問題を、ちょっと学んだことがありますが、それは『人間間の隔たりの問題』だったように思います。
だけど、この障害を持つ方々は、そういう考え方や思想やそんなものの範疇ではなく、もっと根本的に『違う』。

その衝撃は、むしろ、20年以上前にトールキンの『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』を読んだ時の衝撃に、似ていました。
トールキンは『ホビット族』という、架空の種族を創出したのですが、その種族特有の感じ方・考え方・生活様式…など、まったく新しい、人間とは異なる種族を、リアルに詳細にあたかも本当に存在していたかのごとく描き出したのです。
そのトールキンの『創造のちから・想像のちから』、に私は衝撃を受けたのですが、私にとってアスペルガーとの出会いは、ホビット族との出会いのような感覚でした。
しかも、これは、本の中・物語の中のお話ではなく、現実です。

上手く言えないけれど、この本は、私に『人間とは?』という問いを、新たに突きつけてきた、痛い本です。
(全然書評になってなくて、すみません。とにかく、読んでみてください。)


アスペルガー的人生/リアン・ホリデー・ウィリー/ニキリンコ【後払いOK】【1000円以上送料無料】
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【蛇足ながら、指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)を読まれる方は、『旧版』が手に入るなら、こちらがお奨めです。
新版のほうが読みやすいですが、『旧』のほうが、物語り全体に『雰囲気』があります。】




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『あなたがあなたであるために』

何人かの方にすすめられ、また、あちこちのブログでも紹介されて、そのどちらでも高い評価を受けている本
『あなたがあなたであるために 自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド』を、やっと読了しました。

まず、噂にたがわず、とても素晴らしい本だと思いました。

・ わかりやすく
・ 具体的で
・ すぐ読める割に内容がとっても濃い

まず、さぁ~っと1回、最後まで一気に読んでしまえす。
そしてその後、何度繰り返し読んでも、新しい発見や気づきが得られます。
これを良書といわずに、なんと呼びましょう!


だけど…だけど…


残念ながら、
いますぐ我が家に役立つ情報や、実践できる事柄
は、見つけられませんでした。

それだけ、Qさんは“多数派”の生活になじんでいるということでしょう。
喜ばしいことです。
なのに、家族がこんなに苦しいのは何故?


********************************

気をとりなおして、少し書評を。

【『多数派』という言葉】
まず、アスペルガー症候群など発達障害全般をお持ちの方たちと対する言葉として、障害を持っていない方たちをなんと呼ぶか…は、このブログでも悩んできました。
・ 非自閉圏者
・ 健常者(私は多分使ってない?)
・ メインストリーム
・ 一般的世の中
・ 大多数の側、多数決の多い方
・ 定型発達者(← みっちゃんさんに教えていただきました。これもよく使いますよね。)

この本で使われている『多数派』という言葉は、このブログを始めた頃私も使おうとしていた言葉でした。
でも、多数決で数を頼んで、数の力で自分たち(私)の主張をゴリ押しするような感じを与えないかな?と考え、自閉脳をお持ちの方に不快感を与えるのでは?と判断して、すぐに『非自閉圏者』を多用するようになりました。
けれど、あらためて、『多数派』って言い方もいいかも…と思いました。
自閉圏の方でもこの言い方をいいと言っていらっしゃる方がおられるし…。


【家族への配慮】
次に、P65~のあたりで、家族への配慮も書いてくださっているのが、すごく嬉しかったです。
『家族も、家族以外の人たち同様、困ったり戸惑ったりしているんだよ。だから、少し、工夫しないと、他の家族が暮らしにくくなってしまうよ。』
という感じでしょうか。
他の本では、あまりこういう視点で書かれた文にお目にかからなかったので(一方的に『多数派』の家族にガンバレ、と要求している感じを与えられる場合が多かった)、本当にありがたく思いました。


【サポーター】
文中に、『サポーターと相談』という言葉が、頻繁に出てきました。
支援のポイントというか、当事者の方が生きやすくなるかどうかは、サポーターさん次第といっても過言ではないくらい。
・ まず第一に、親
・ そして担当医やカウンセラーさん
・ さらに専門的な場での先生
・ 理想として、学校の担任やスクールカウンセラー

Qさんのサポーターは今のところ私だけ。
なんとも頼りなし…。
これだけ重要なポイントを占めるサポーターさんが私ひとりなんだから、Qさんがいっこうに『気づき』に至らないのも、納得!というものです。(← 半分ヤケ)


【子どもの特徴】
P75~あたりから書いてある『子どもの特徴』。
これは、成人のQさんには、あまり関係ない話かもしれませんが、子を持つ親として、「なるほどー」と思うところが多々ありました。
多数派の子どもの特徴をつかんでこそ、その中で生きざるを得ない少数派の支援ができるというものですよね。


以上、読者として、非常に感動しながら読みました。みなさんにお奨めしまくりたい本です。



ですが、ですが、…………

今のところ、うちでの応用の仕方を、発見できなかったのです。
P92からの『サポーターへのお願い』に、
“サポーターとして支援を行うためには本書の情報だけでは不十分です。”
と書いてありましたが、私の読後感もそういう感じです。
そのあと、『サポーターのための参考図書』を載せていただいてあるのですが…、
一冊を除いて、すでに読んだものばかりでした。

ということで、今回も私は叫びます。


「Help Me !!!」



********************************

「すぐに読めるから、読んでみてね」
と、私が読むより先にQさんに薦める。

翌日

Q 「あなたのいうとおり、すぐ読めました (^o^)v 」

って、お~い、『ご本人』さ~ん、感想はそれだけですかぁ~ (T_T)
(2005.7.27)


あなたがあなたであるために [ 吉田友子 ]
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『教えて私の「脳みそ」のかたち』

Qさんは社会人として、立派に家族を養い、会社でもそれなりの信頼を得ていますが、それは、特定の分野における能力の賜物であって、一般の家庭生活・一般のおつきあいのレベルになると、信じられない能力の低さになってしまいます。
二次障害がなくても、生きにくさを持っていることに、変わりはありません。

また、付け加えさせていただくなら、『適応している』成人高機能広汎性発達障害の方たちの家族も、支援が必要だということをわかっていただきたいと思います。
ともに生きることは、やはり簡単なことではないからです。
(幼児の当事者の方だと虐待が危惧され、成人だと離婚の大きな原因になりえます。)

岡野 高明/ニキ リンコ 共著の
『教えて私の「脳みそ」のかたち ~大人になって自分のADHD、アスペルガー障害に気づく』という本の144ページに

5.環境によって行動が変わりうる。よく組織だっている学校やクリニックにおけるよりも、家庭では往々にしてよくない。---(略)---
6.---(略)---高機能の成人例では、一対一の状況では、たとえ精神科医との面接であっても、障害の徴候がまったく見られない人もいる。彼らの問題は生活史の中に現れ、---(略)---

という部分があります。

ASであっても会社勤めが出来ているのだから、それでいいじゃないか。
通院の必要・支援の必要はないのではないか、ということではないのです。

家庭外ではトラブルがないように見える人でも、家庭内では不適応を起こしている可能性が高いし、家庭外であっても、親しくなればなるほどトラブルは多くなっているはずです。
『適応している』と思われている人は、むしろ最も安全な居場所であるはずの『家庭の中・家族の中』で、不適応をかかえて孤立している可能性が高いのです。
また、家族も、そして本人さえも、障害を持っているなんて夢にも思っていない多くの成人高機能広汎性発達障害者の方たちは、『ちゃんとできるはず』攻撃に日々さらされて、苦しんでいるはずです。
ちょっとした支援があれば、本人も、家族も、近しい関係者も、生きづらさが軽減されるはずです。

特に、専門家といわれている方々にお願いしたいです。
小さなトラブルの積み重ねで、疲弊しきっている本人と家族のつらさを理解していただきたい。
『家庭内の問題』として、医療の対象からはずしてしまわないで欲しい。
なぜなら、そのトラブルの原因は、『違ったタイプの脳みそ』によるのであって、本人のせいでも、家族のせいでも、ないからです。
専門家の方たちには、違うタイプの脳みそ間の仲立ちを、是非お願いしたいです。


【中古】 教えて私の「脳みそ」のかたち 大人になって自分のADHD、アスペルガー障害に気づく /岡野高明(著者),ニキリンコ(著者) 【中古】afb
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プロフィール
・アスペルガー症候群の夫:Qさん
・1996年生まれの息子:ノロリ
・2001年生まれのLD娘:チビひめ
との生活に、孤軍奮闘中。

メインブログの『パパはアスペルガー!』
で、いろいろ愚痴っています。
はじめにお読みください
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