文字や音に色がついて感じられたりするなどの共感覚の持ち主パトリシア・リン・ダフィーが、共感覚の説明や(アメリカでの)社会認知の歩みなどを綴った本です。





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共感覚については、説明するのが難しいので、本書を読んで理解していただきたいと思います。

もちろん、日本人にも、共感覚の方はいらっしゃいます。
ぜひ、こういう不思議な感覚をお持ちの方がいらっしゃるということを、知ってほしいと思い紹介してみました。

娘を見ていると、
人間って本当に不思議で多様で複雑な生き物だなぁ~
と実感できるのですが、この本を読むと、もっと人間ってすごい!とびっくりすると思います。


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もうひとつ、この本をご紹介した理由があります。

それは、著者や、その友人たちが、非共感覚者にではなく、同じ共感覚者に抱く、激しい憤りというか『イライラ』や『許しがたい、受け入れがたい』感情を持つ、という記述があり、そのような感情を抱く理由の分析が書かれているからです。

例えば、ある共感覚者Xさんにとって『A』は『赤色』なのに、別の共感覚者Yさんにとって『A』は『青色』であったりするらしいのです。
が、これは、XさんYさんともに、とうてい相手の言っていることを受け入れがたいことなのだそうです。

Xさんにとって『A』は『赤色』だということは、自分では変えることの出来ない『事実』であり、Yさんが『A』は『青色』だということは、『間違っている』のだそうです。
Xさんは、Yさんに、激しい怒りさえ覚えるそうです。

非共感覚者に対しては、
『A』は絶対に『青色』である、などと『間違った主張』
はしないので、こういう激しい感情を抱くことはないようです。


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時として、定型発達者から見ると理解できない、非定型発達当事者間の激しい論争が何故起こるのか、この本を読んで、原因がつかめたように感じました。(89ページ前後の記述を読んで)

自分と感覚が違うからといって社会から排除しないで欲しいと、定型発達者に訴える非定型発達の当事者の方が、
同じ非定型発達者に対しては
「自分と違う」
と言って、激しい攻撃をする。

定型発達者から見ると、理解しにくい当事者の方の気持ちを知る上で、この共感覚者の書いた本は、とても役に立つと思います。


ぜひ、ご一読下さい。



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