『心からのごめんなさいへ 一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦』は、心理的・カウンセリング的手法ではなく、発達障害を視野に入れたアプローチ・プログラムで、少年院における矯正・更正教育で、劇的に成果を挙げた宇治少年院他のルポです。


心からのごめんなさいへ [ 品川裕香 ]
心からのごめんなさいへ [ 品川裕香 ]

発行年月 2005年07月


筆者の品川裕香(しながわゆか)さんは、『気になる子がぐんぐん伸びる授業』の訳者・著者で、発達障害児・者に積極的に取材をかさね、現場からの視点で文章を書いていらっしゃる、私がいつも共感してしまうライターさんです。

この本も、数年にわたる現場での取材ののちに書かれた本で、大変興味深い内容です。

少年院での事例ですので、そのまま紹介されているプログラムを一般の小・中学校での教育に当てはめることはできません。

が、『特別支援教育』『個別の教育的ニーズ』に合わせた教育と、その基本的な姿勢の部分で、共通点が非常に大きいと感じました。



「学校の勉強なんて、できなくたっていいんだよ。」
「学校の勉強がすべてではないんだからね。
 学校の勉強は、社会に出て役に立たない事だって、たくさんあるんだから。」
「個性豊かなのは、算数や国語ができることより、ずっといいことなんだよ」


こんな、当たり前のように言われていることが、実は『学校の勉強ができない子供』を追い込んでいるかもしれない…


学校に通っている限り、子供にとって『勉強ができない』ということは、大人が『たいしたことではない』と思うのとは裏腹に、実は子供たちにとって、とてもつらく悲しいことなんだ、ということがヒシヒシと迫ってきます。

LD(ディスレクシア)の娘を持つ私にとって、この本に書かれている少年院の子供たちの学校でのつらさは、決して他人事ではありませんでした。



特別支援教育に関心のある方は、是非参考に読んでみてください。



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