むかし      
すぺいんに、


で、はじまるこの絵本『はなのすきなうし』が出版されたのは、1936年。


私がはじめてこの絵本に出会ったのは、小学校4年生だったと思います(これも○十年前だから、十分昔だけど…)が、
『“1936年”だって、おそろしく昔じゃない!』
と思ったのを覚えています。



それぞれの人生には、それぞれの“エポックメイキング”があると思うのですが、私には今まで、“それまでの自分の価値観がひっくり返される”という体験が3度ほどあります。

そのひとつが、この『はなのすきなうし』との出会いでした。


フェルジナンドは、闘牛のうしにあこがれるほかの仔牛たちとは、ちょっと違う趣味と個性を持っています。
みなから一人離れて過ごしているフェルジナンドを、お母さんは心配するのですが、
子どもであるフェルジナンドの気持ちを確かめた上で、

【うしとは いうものの、 よく ものの わかった おかあさんでしたので、
 ふぇるじなんどの すきなように しておいて やりました。】

何が4年生の私の琴線に触れたのかわかりませんが、(あるいは、私の母がこういう母だったからからかもしれません)
「もう、なんてすごいお母さんなんだろう!」と感動して、読んだ覚えがあります。
そして、仲良しのお友達と、低学年に見せるために『紙芝居』を作ったりもしました。
お友達も気に入ってくれたんです。

子どもが生まれてから、子どものために買いなおしたのですが、以来何度も何度も自分のために読んでいます。

『自分の個性に従って生きていいんだよ』というメッセージと、わが子の性格をそのままそっくり受け入れて、
『子どもがいいと思っているなら、他の仔と違っても、安心できる』お母さん。


個性あふれるお子さんをお持ちのお母さんたちが読んだら、ほんわりするのではないかと思う絵本です。

文章も訳もいいのですが、絵もまたいいんです。
すべて白黒で、緻密な感じの絵なのですが、じっくりと隅々まで見てくださいね。
思わず笑ってしまうユーモアあふれる部分が、あちこちに隠れています。



はなのすきなうし [ マンロー・リーフ ]
はなのすきなうし [ マンロー・リーフ ]




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