アスペルガー症候群やADHDにかかわっていると、周囲の理解を得ることがどんなに難しいことであるか、よくわかります。
しかし、ディスレクシアの理解を得ることは、アスペルガーやADHDなどの理解を得ることよりも、さらに難しそうだ、というのが、この本『怠けてなんかない! ディスレクシア~読む・書く・記憶するのが困難なLD』を読んだ感想です。

アスペルガー症候群児・者としばらく話しをすれば、
「?」「???」「?????」
と、なると思います。
何故かはよくわからなくても、ちょっと意味がとりにくいなぁ、とか、ズレてる?とか、変わってる?と感じると思います。
ADHD児・者なら、落ち着きがないとか、フワフワした感じとか…。
もしも身近にそういう方がいて、その方はアスペルガーなんですよ、とか、ADHDなんですよ、と言われ、詳しく説明されたら、
(ああ、そうなんだ)
と、納得できるかもしれません。

でも、この方はディスレクシア( ⇒ ディスレクシアについて)なんですよ、と言われて説明をされても、果たしておぼろげながらでもその方の困難さを、理解できるでしょうか?
(そんなの、ありえないよー)
と思われてしまいそう。そう思いました。

第1.2章は、10人(10組)のディスレクシア当事者またはその親御さんの体験談の聞き取りが載っています。
読後の感想を語る言葉が見つかりません。

第3章は、現場の対応についてのレポートです。
数としては、涙が出るほど少ないけれど、取り組んでいるところの質は高そうです。
当事者の方なら、徐々に…なんて、悠長なことは言っていられないと思いますが、こういう取り組みをされる現場が、ひとつでも多く、少しでも早く増えてくれればいいのに、と思いました。

第4章は、前記事で抜粋をご紹介した、ディスレクシアについての説明とアメリカのディスレクシア教育事情の紹介です。


この本は、私がはじめて読んだディスレクシアの本ですから、新しく得た知識がたくさんありました。
というよりも、丸ごと一冊知らなかったことが書いてあった、と言う方が正確かもしれません。
その中でも、特に忘れないでおこうと思ったのは、以下の点です。

・「優しく教える、ひたすら繰り返す、個別に指導する」といった従来型の教育方法だけでは、成果が上がらない
・1.聴覚や視覚の情報処理にあるのか?
 2.注意・記憶にあるのか?
 3.認知の問題なのか?
 4.概念の問題なのか?
 そのような学習のつまずきの原因を把握し、神経心理学的観点を取り入れた学習支援を行わなければならない。

最後に、これは、軽度発達障害全般についていつも言えることですが、成人のディスレクシアの方に対する支援も同じで、今のところ成人への支援は皆無に近いようです…。


怠けてなんかない! [ 品川裕香 ]
怠けてなんかない! [ 品川裕香 ]

怠けてなんかない!(2(セカンドシーズン)) [ 品川裕香 ]
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怠けてなんかない!(0(ゼロシーズン)) [ 品川裕香 ]
怠けてなんかない!(0(ゼロシーズン)) [ 品川裕香 ]




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